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「父上様がされた折の、京土産であった

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「父上様がされた折の、京土産であった

「父上様がされた折の、京土産であったと思います。ずっと以前のことですが」

 

という言葉を聞いて

 

「それは実に好都合」

 

と蘭丸は満面に笑いを寄せた。

 

「近々、上様のお供で京へることになったのです」

 

京へ、でございますか?」

 

胡蝶の片眉がしげに歪む。

 

「されど父上様は、近く、備中へご出陣あそばされるご予定と伺いましたが?」

 

「左様にございます。されどその道中で、諸用の為、上様が都へ立ち寄られることになったのです。Notary Public Service in Hong Kong| Apostille Service

 

ですから、上様に事情をお話して、それと同じ物をが都で手に入れて参りましょう」

 

蘭丸は笑顔で申し出た。

 

すると胡蝶は、し考えをめぐらせた後、再び首を横に振った。

 

「実に有り難きせではございますが──良いのです。このままで」

 

「しかし

 

「どんなに同じを頂いても、胡蝶は嬉しゅうございませぬ。この櫛は、父上様の思いがこもった、この世でたった一つの物。

 

壊してしまったのは私の不注意です故、それを反省しつつ、二度とこのような事がないよう、自身へのめにしたいと思いまする」

 

胡蝶は割れてしまった櫛を胸の上で握り締めながら、蘭丸に気丈な微笑を向けた。

 

蘭丸もその思いを汲み取ってか、小さく頷くと

 

「左様にございますか。出過ぎたことを申しました、お許しあれ」

 

伏し目がちに頭を垂れた。

 

飛んでもないと、胡蝶がかぶりを振っていると

 

カラン、カラン、カランッ

 

突として、床の間に下げてある青銅鈴が鳴り始めた。

お菜津は静かに腰を上げ

 

「様か古沍殿が、姫様の(おやつ)を持って来て下さったのでございましょう」

 

表を見て参りますると、速やかに部屋を辞した。

 

 

それからものの数分で、お菜津は、齋の局と共に部屋へと戻って来た。

 

齋の手には、塗りの盆が握られており、その上には蓋つきの菓子器が乗せられている。

 

 

──本日は、南蛮菓子のこんふぇいとをお持ち致しました」

 

胡蝶の元にやって来た齋の局は、うきうきとした様子で菓子器の上蓋を開けた。

 

蓋の下から、こぼれ落ちんばかりの白いが、微かな甘い香りをわせながら現れた。

 

胡蝶は笑顔になって、それを一つ指でまむと

 

「ほんに、いつ見ても可愛らしいお菓子じゃ。まるで甘い種のよう」

 

口に入れるのが惜しいと言わんばかりに、うっとりとした様子で眺めた。

 

齋の局もを打つように、大きく首肯する。

 

「さすがは上様のお気に入りのお菓子にございます。まことに美味しそ、いえ、お可愛らしい菓子にございます」

 

どこか物欲しげな様子の齋の局を見て、胡蝶はふふっと笑った。

 

「こんふぇいとがお気に入りなのは齋も同じでしょう?」

 

「いえ、そんな──私ごときが左様な珍しきお菓子など。いえ、嫌いな訳ではないのですけれど、何だか勿体なくて

 

「お一つどうぞ」

 

「有り難く致しますッ」

 

明らかにひと粒以上を指に摘まんで、齋は素早く自分の口に押し込めた。

 

口の中に広がるその上品な甘みを、嬉しそうに堪能する齋の局を眺めつつ

 

「確か、父上様がこの南蛮菓子に出会われたのは、京であったな?」

 

胡蝶はふと思い出したように訊ねた。

齋の局は手で口元を隠しながら、静かに頷く。

 

「左様にございます。京の二条城にて、ルイス・フロイス殿となされた際に、や何やらの献上品と共に、詰めにされた物が贈られたそうで」

 

「やはりそうであったか」

 

「何故に左様なことをおきになるのです?」

 

「いえ、大したことではないのです。先程まで蘭丸様と京の話をしていた故、なんとのう思い出して」

 

京の、お話?」

 

「蘭丸様が、父上様のお供で、近く京へるものですから」

 

胡蝶の言葉に、齋の局は「え」となる。

 

「姫様……

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